足寄動物化石博物館,カバのモグ骨格標本作り

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写真:足寄動物化石博物館/2010年7月撮影

 おびひろ動物園で飼育されていて2005年に死亡した カバのモグの全身骨格標本作り が、足寄動物化石博物館で大詰めを迎えています。
 作業は約240個の実物の骨を慎重かつ正確に組み立てて行われています。
 10月にもおびひろ動物園に一時“里帰り”した後、動物化石博物館に展示される予定です。

 十勝毎日新聞が, 「カバのモグ全身骨格標本作り大詰め」 と伝えています。
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 おびひろ動物園(高橋利夫園長)で飼育されていたカバのモグ(2005年死亡)の全身骨格標本作りが、足寄動物化石博物館(町郊南1、澤村寛館長)で大詰めを迎えている。作業は両者に帯広畜産大の3者が連携した初めての取り組みで、約240個の実物の骨を慎重かつ正確に組み立てている。10月にもおびひろ動物園に一時“里帰り”した後、同博物館に展示、動物の進化の歴史や体の構造を知る貴重な資料としてよみがえる。

 夏休み中の子供たちでにぎわう足寄動物化石博物館。「わん曲した背中の部分も自然で完璧だ。作業は順調」。展示室横の化石工房では、澤村館長、同館指定管理者のNPO法人あしょろの化石と自然(高橋一二理事長)のスタッフが、モグの実物の骨を載せた手作りの木製台を満足そうに見渡した。長さ2・9メートル、高さ1・3メートル。往時の体格を思わせるような堂々とした骨格だ。

 一列に並ぶ肋骨(ろっこつ)や背骨も、場所によって形状が微妙に異なり、「1本でも違うと違和感が残る」。配列を間違えないように並べるのは、パズルやプラモデル制作にも似た作業だ。「この場所に合う」と関節に沿うようにへこんだ位置に合わせるとぴたりと落ち着く。7月中旬から、来館者案内の合間を縫ってこの作業を繰り返した。背骨同士の間の「椎間板」はスポンジ、クッション代わりの土台は断熱材で手作りした。

 モグの死体は帯広畜産大で解剖された後、頭部などは帯広畜産大が骨にして残し、胴体部分は同館が引き取り、2009年から約3年間、町内の土中に埋めて骨にした。おびひろ動物園が調整し、帯広畜産大が専用の機械で白骨化させた頭部を寄せ、全身骨格が出来上がることに。所有は帯広市のままだが、同館が寄託を受け常設展示する。

 「ここ(足寄動物化石博物館)にカバの骨格標本を展示することに意味がある」。澤村館長は力を込める。同館で展示している絶滅した海洋ほ乳類の「デスモスチルス」や「アショロア」の骨格標本を見学した子供たちのほとんどが「カバに似ている」と答える。また、最近の遺伝子解析で、同館に骨格標本を展示するクジラは、偶蹄(ぐうてい)類(両肢の指が偶数で、それぞれの指にひづめを持つ動物)の中でカバに最も近いことが分かったからだ。

 帯広畜産大の佐々木基樹准教授(獣医解剖学、動物発生学)は「骨や骨格には機能を反映したさまざまな形態がある」と骨格を読み解く意義を指摘。「後ろ脚を持つクジラ類祖先の化石種の足首の骨(距骨)には、偶蹄類しか持たない形状を持つことも分かっている。骨を知ることは進化の歴史を知ること」と、このプロジェクトを評価する。

 今年はおびひろ動物園の開園50周年、足寄動物化石博物館の開館15周年の節目の年に当たる。おびひろ動物園での展示期間中には、佐々木准教授、澤村館長の講演も予定されている。「動物園で見た動物を、骨の形状や構造から改めて学んでほしい」と澤村館長。かつて来園者を楽しませたモグが、生物多様性や歴史を知る「教材」で帰ってくる。(原山知寿子)
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以上引用:十勝毎日新聞社ニュース・めーる 2013年01月04日の記事
http://www.tokachimail.com/ashoro/
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by hombetu | 2013-09-07 06:12 | 足寄町の様子 | Comments(0)